ペンタを煽る海風。
午後から車を走らせて以前から気になる野営地に到着すると、
想像以上に青く透き通る海と幕営にうって付けの小さな砂浜がそこにあった。
「ただ偵察だけ」と引き返すにはあまりにも勿体無く、手早くペンタを広げて椅子とテーブルをセッティング。
そんな突発的なデイキャンプでプライベートな空間を創る。
積みっ放しにしていた薪を焚火台に並べ、焚き付けたばかりの炎に煤けたケトルを放り込む。
まだ肌寒く吹き付ける海風の中、こじんまりとした焚火の暖かさは実に心地が良い。
「砂の上でお昼寝がしたい」 そう言うと娘は焚火の傍らですぐに横になった。
何も言わなくても自らの寛ぐ術を持っている、そんな非日常の作り方を既に知っているかのようだ。
短時間の滞在に忙しさなどはどこにも見当たらない。
時間にとらわれる事のない日曜の午後はゆっくりと静かに過ぎてゆく。
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